会長挨拶

1993年5月15日。
この日に華々しくこの国にプロサッカーリーグが開幕しました。
それから5ヶ月と15日後の1993年10月28日。
ドーハの悲劇と共にこの国は大きな嘆きとため息と悲しみに包まれました。

そう、Jリーグが開幕してこの国がサッカー熱に浮かれていた真っ只中のことでした。
悲願であるW杯の出場がすぐ目の前に、手が届きそうで届かなかった日に世界の壁の高さと、サッカーの厳しさと無情さをあの試合を見ていた日本国民は誰もが感じたと思います。

私は遠い異国のメキシコという国で生まれました。
その国はサッカーが盛んで、当たり前のように誰もがサッカーに親しみます。
決して裕福ではないこの国の国民はサッカーになると誰もが笑顔になり、熱狂し、嫌なことを全て忘れ、サッカーに夢と希望を見ていました。
メキシコではサッカーは文化です。
その文化が国民に希望と夢と感動をもたらしていました。
9歳で私は日本に来て驚いたのは誰もサッカーをしていないことでした。
公園に行けばグローブとバットを持って野球をしている姿しかありませんでした。
数年後にJリーグが開幕しこの国でもサッカーが市民権を得ました。
そして今年で25年目を迎えるJリーグと共に日本のサッカーは目覚ましい発展を遂げました。

この発展は周知の通りで今では海外組と呼ばれる選手が、海外のプロリーグで当たり前のように助っ人選手としてプレーをし、活躍をしています。
少しずつではありますがこの国でもサッカーが文化になりつつあることを感じられるようになっていました。
しかし、それは国単位のグローバルな大きな枠組みであり、地域というローカルな枠組みではまだまだ迷走しているのではないかと思います。
私は今後の日本サッカーの発展には地域による下支えが不可欠だと思います。
それはサッカーだけではなく、今後の日本という国の発展には地域によるしっかりとした下支えと人材育成がとても大事になると思っています。
育成カテゴリーからトップチームまで箕面フットボールクラブでプレーする選手の全員がプロ選手になれるとは限りません。
しかし、生きていれば全ての人が社会人にはなるのです。サッカー選手にはなれなくとも生きていくことにプロの社会人にはならなければなりません。
我々がクラブコンセプトに大きく掲げている「人材育成」の意味はここにあります。
サッカー選手だけではなく、社会の発展と安定、そして本当の豊かさの追求をできる人材育成にあります。
今の日本は本当に豊かでしょうか。
本当の豊かさとはなんでしょうか。
人間本来の豊かさをサッカーというスポーツを通じてスタッフと選手、そして地域の方々と一緒に追求しクラブが地域の皆様の大事な財産になるべきだと私は考えます。
如いてはそれが新たな人間の価値観を生み、混沌とした昨今の社会に新たな風を吹き込み、希望に満ちた人材の育成と希望に満ちた新たな社会の大きな手助けになるのではないかと信じ、私の全力を注ぎ箕面フットボールクラブの発展に尽力していきます。